活動報告

千葉市議会議員 山本直史 活動報告
2016年10月14日

【視察報告】高松市には「創造都市推進局」がある

千葉市議会 視察 高松市

千葉市議会議員+千葉から日本を元気にする
山本直史です。

 

高松市(人口:41万9,000人)における視察報告です。
 

20161014
【視察項目】
 

①アート・シティ高松プロモーション事業について

②人権教育・啓発に関する取り組みについて
 

【アート・シティ高松プロモーション事業】
高松市は江戸時代から城下町として発展してきた。
(徳川家水戸光圀公の兄、松平頼重により高松松平家が開いた城下町)

高松市は平成18年高松市文化協会や市議会による質問などにより条例制定の機運がたかまり「新高松市文化芸術振興ビジョン」を策定した。
 

高松市が目指している都市像は・・・

「文化芸術を通して、市民が生き生きと心豊かに暮らせるまち、高松の実現」というもので、高松市役所の中に「創造都市推進局」が設置されている。

実はポイントはここにあると感じている。
 

どうも高松市全体が「文化薫るまち」に感じられるのは、平成22年に「文化振興事業」を教育委員会の所管から市長部局への所管へと移管し、平成24年にこの「創造都市推進局」という組織を市役所内に立ち上げたことが大きな意味を持ち、同局の中には産業振興課、観光交流課、文化芸術振興課、文化財課、スポーツ振興課、美術館美術課などがある。

観光を含めた産業振興と文化芸術、スポーツ振興が同じ部局にあることが、千葉市との大きな違いでもある。

そして、それは大西秀人高松市長のイニシアチブが大きく働いており、平成22年に「瀬戸内国際芸術祭」が開催されたことを受けて、平成23年に行われた高松市長選マニフェストの中で現職の大西市長が方向性を示したのが「アートシティ高松(シティプロモーション)」という説明であった。

ちなみに文化振興に関するソフト事業の予算としては・・・
 

〇平成27年度事業予算約2500万円(決して予算は潤沢ではない)

また最近では地方自治体が行う各種事業に関して「施策の効果」のしっかりと検証をする必要性が出てきているが、これらの「文化振興事業」に関して適切なKPI(重要業績評価指標)の設定をすることと、その検証をすること、そしてそれらを「PDCA」で回していくところまでは、高松市としても今後の課題となっているとのことだ。

確かに「文化振興」の事業効果を客観的な数字で評価することが難しいのも理解できる。

そこで高松市では「文化振興」だけでなく、市政全般についての「市民満足度調査」を実施しているようで、その調査の中に「文化に関すること」というものがあり、そこではとても高い評価が得られている。
 

都市としての目標とするイメージは?

という問いには「友好関係のある「金沢市」のようなイメージや、姉妹都市であるフランスの「トゥール市」も意識している」というお答えだった。
 

【人権教育・啓発に関する取り組みについて】
高松市は平成16年「高松市人権教育・啓発に関する基本指針」を策定し、ちょうど10年が経過したので見直し作業を今年3月までに終えた段階との説明であった。

その際に進め方としては「条例設置→審議会」というガチガチに縛るものではなく、「要綱設置→懇談会」というやり方で進めている。
 

人権については、「時代に合わなくなってきたもの」「国の法整備が進んだもの」「新たな人権の課題」などの視点から「第6次総合計画」をまとめあげた。

そもそも今回の行政視察は千葉市議会環境経済委員会としての視察で、この委員会は千葉市における人権に関する施策の総括をしている「男女共同参画推進課(市民局)」を所管しているため、今回は特に「LGBT」と呼ばれる性的少数者に対する人権に関する取り組みを学ぶ目的で行われている。

人権問題は、古くは同和問題などがあり、東日本と西日本ではその歴史や背景が異なっている部分があるが、女性、子ども、高齢者、障害者、外国人などカバーする範囲は多岐にわたる。
 

高松市では高松市人権教育・啓発に関する基本指針の中で、「さまざまな人権問題」として下記のように記載されている。

・アイヌの人々

・犯罪被害者等

・刑を終えて出所した人

・北朝鮮当局による拉致問題等

・ホームレス

・同性愛者、性同一性障がい者等

・人身取引

・東日本大震災に起因する人権問題
 

歴史的な経緯があるものの、人権問題に関する取り組みが千葉市より進んでいる高松市では、人権問題に関する啓発と教育を進める二つの団体が別々に存在していた。

それが2016年6月に高松市人権教育推進協議会と高松市人権啓発指針協議会が統合され、新たに「人権尊重都市たかまつ市民会議」が設立された。
 

また、高松市役所において人権問題に取り組む組織体制も千葉市とは大きく異なる。

先ほども触れたが、千葉市では「人権に関する施策のとりまとめ」を男女共同参画推進課で行っているが、実際の人権問題に対する取り組みについては、それぞれ障害者施策、高齢者施策、子ども施策を所管する部局が行っているのが実情だ。
 

その点では、高松市役所は「人権啓発課(人権啓発係及び平和記念係)」は総勢40名の職員、「人権教育課」は6名+非常勤職員という充実した体制で業務にあたっている。
(※ちなみに千葉市の場合には男女共同参画課の職員7名という体制)

また「人権啓発課」では「LGBT」を新たな人権問題と位置付け「高松市協働企画提案事業」として下記の事業を行う予定となっている。
 

〇今年度における取組
①市民に対する意識調査
②性的少数者への意識調査
③市民向け講座
④市民に周知→啓発パネル展(市内を7ブロックに分けて実施)
 

〇役割分担(団体側の取組)
当事者による普及活動
支援者による啓蒙
支援活動強化
アンケート及び集計
 

(行政側の取組)
市民向け講座
アンケートの実施
パネル展
広報誌などでの周知
コミュニティセンターを利用する際のお手伝い
チラシやポスターの配布
 

今回の視察目的である「LGBT」に対する高松市の具体的な取り組みは、今年度から実施するので、職員の方も「LGBT」についての「正しい認識」については、今年度実施するアンケートなどを参考にして行くという話であった。
 

【山本直史の視点】
文化や芸術はまちの魅力であり、都市としてしっかりとビジョンを掲げて進めて行かないと、いわゆる福祉などの事業とは異なり「予算カット」を受けやすいともいえる。

だからこそリーダーである市長は明確なビジョンと前に進めて行く熱き想いが必要になると考えているが、それが高松市の場合には「瀬戸内国際芸術祭」との連携も含めて市長のリーダーシップと地域的に機運が高まっているように思えた。

また、人権問題の「LGBT」については、まだまだその名前の認知度も低いだけでなく、当事者にとっては周りから理解されないことでどんな苦しいことがあるのかなど、正しい理解が進んでいないという現状がある。
 

千葉市は2020年の東京オリンピック・パラリンピック競技の開催都市になっているため、今からの取り組みがとても大切になる。

誰もがその人らしく住みやすい社会にするために、取り組まなければならないことは山積しているが、少なくとも今回の視察を受けて僕も個人的に「LGBT」に関する積極的な学びをしていきたいと考えている。

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